XRPとは?
TLDR
XRPは、従来の金融とブロックチェーンの効率性をつなぐために設計された、迅速かつ低コストの国際送金向けの暗号通貨です。分散型のXRP Ledger(XRPL)上に構築されています。
- 決済に特化 – 3~5秒で取引を完了し、ほぼゼロに近い手数料で国境を越えた送金を実現。
- 企業向けブロックチェーン – XRPLは1秒間に1,500件の取引を処理し、消費電力は非常に低い。
- 固定供給とガバナンス – 1000億XRPが事前に発行されており、Rippleがエスクロー(預託)管理を行い流動性の安定を図っている。
詳細解説
1. 目的と価値提案
XRPは2012年に、国際送金の非効率性、特に従来のシステム(例:SWIFT)での数日かかる決済時間や高額な手数料を解決するために開発されました。ブリッジ通貨として、法定通貨間の即時交換を可能にし、事前に資金を預ける必要のあるノストロ口座を不要にします。サンタンデール銀行やSBIホールディングスなどの金融機関は、XRPを活用したRippleNetを利用し、流動性コストを最大60%削減しています(XRPL.org参照)。
2. 技術と構造
XRP Ledgerは、ビットコインのようなプルーフ・オブ・ワークやプルーフ・オブ・ステークではなく、独自のコンセンサスプロトコルを採用しています。これにより、3~5秒ごとにバリデーターが取引の順序に合意し、マイニングが不要でエネルギー消費が非常に少ない(1取引あたり0.0079 kWh、ビットコインの1,173 kWhと比較)特徴があります。分散型取引所(DEX)、エスクロー機能、CBDC(中央銀行デジタル通貨)などの資産トークン化ツールも組み込まれています(CoinMarketCap参照)。
3. トークノミクスとガバナンス
XRPは発行時に1000億枚がすべて作られており、2025年時点で約590億枚が流通しています。Rippleは約407億枚をエスクローに預けており、毎月約10億枚を市場に放出してエコシステムの成長を支えています。取引手数料(0.00001 XRP)はバーン(焼却)され、わずかなデフレ効果を生み出しています。バリデーターは分散化されていますが、Ripple関連の組織も含まれており、中央集権化の懸念が時折指摘されています。
結論
XRPは、機関投資家向けの高速性、コスト効率、規制対応を兼ね備え、金融の近代化に役立つ実用的なツールとして位置づけられています。Rippleとの関係が注目される一方で、その技術的な優位性と国際送金分野での採用拡大は、その有用性を裏付けています。XRPがCBDCやトークン化資産の橋渡し役として、将来のグローバル決済の重要な存在となる可能性は十分にあるでしょう。